あなたのヒール寿命は決まっている。
『ヒールを履いているほうが楽!』
昔、ヒールに慣れている女性を格好いいと思い、私もいつかそんな台詞を言ってみたいと憧れたこともありました。しかし、ヒールを履くことで起きる重大な身体の変化を知り、認識を改めました。
確実なことなのではっきりお伝えしておきます。
“ヒールを履き続けることは身体に悪い影響をもたらします!”
足に豆ができやすかったり、むくんだり、長く歩く事が辛かったりと多くの方が体感していることかもしれません。
それでも女性がヒールを履く理由は、”スタイルを良く見せられる”からです。
足を小さく見せ、脚を細く長く、ヒップが高く身長も高く見せる事が出来ます。
それによって、自信もつけることができます。
脚が短く、身長も低い私は、大分ヒールにお世話になってきました。
そして、これからもかかせない存在です。
今回皆さんには、ヒールを長く履き続けるためのことをお話ししたいと思います。
ヒールを習慣的に履かれる方には少しショッキングな研究データがあります。
2年間以上、ヒールを習慣的に使用する人とフラットシューズを履く人では、ヒールを習慣的に使用する人の方がふくらはぎの筋肉の筋繊維が平均13%も短くなるというものです。(MarcoV.Narici(2010) Jornal of Experimental biology) http://www.journalogy.net/Author/10805066
筋繊維が短くなると、どんなことが起こると思いますか?
筋肉は筋繊維が束になり、さらにその束が集められた集合体です。
筋肉には多くの役割があります
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・骨格を支える
・関節を動かし運動を行う
・伸び縮みすることにより血流やリンパの流れを促す
・体に熱を発生させエネルギーを作り、運動を行うことにより消費する。
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上記のように、筋肉の働きは全て“動き(運動)”の中にあります。筋繊維が整いなめらかにスライドすることにより筋肉が伸縮し、“動き(運動)”が起きます。
筋繊維が13%短くなるということは、少なからず短くなった13%働きが損なわれるということです。
また、筋肉の機能低下により冷え性・むくみ・慢性疲労・足の障害(偏平足・外反母趾・開張足etc…)を引き起こします。
どのような状態の脚が筋繊維の短い脚なのでしょうか。
ヒールを脱いでフラットな状態に戻った際、どのくらいで脚の違和感が消えますか?
違和感が長く続いたり、フラットな状態になると腰に痛みが出る方は筋繊維が短くなっている可能性が高いので要注意です!また、年中冷え性、慢性的なむくみ•倦怠感、足の痛みがあるならば尚更です。のちに身体のどこかしらに痛みがでたり足の変形を招くことが予想されるので、早めにご相談下さい。
ヒールを履くことは健康を害し、身体にとっては異常な状態です。
履かないで下さいとは言いませんが、習慣的に履くことはお勧めしません。習慣的にヒールを履かなければいけない方はせめて低めのヒールを選択してみて下さい。
そして、ヒールを履いた後には必ず、ふくらはぎのストレッチやマッサージをしてリンパを流したり、夜は湯船につかりリラックスしたりと意識的にセルフケアを行って下さい。
これから先、長くおしゃれのポイントとして、
そしてここ一番の際、に格好良くヒールを履きこなしたいと思うならば、
セルフケアを徹底して行う事をお勧めします。
患者さまをみていると、
60歳以上の方の多くの女性が膝や股関節に疾患があるためにヒールが履けません。
あなたは、60歳ならもう履けなくてもいいと思いますか?
今度ヒールを脱いだあとに前屈運動をしてみて下さい!
ヒールの影響は、脚だけでなく腰を始め背中にも大きく負担がかかっていたことに気がつくと思います。
次回、ヒールが体全体に与える影響と歩き方のポイントについてお話したいと思います。
松本清加
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